特殊紙解説シリーズ:E-5とF-1〜F-2 繊細なエンボスとT-EOSシリーズ

はじめに

エンボス加工の特殊紙は「光と影」「触感の奥行き」で印刷物を際立たせます。今回は E-5(タントセレクト)F-1〜F-2(T-EOSシリーズ前半) を取り上げます。タントセレクトの多彩な模様、そしてT-EOSシリーズの細やかな凹凸が織りなす質感は、ブランドやデザインを一段と深める力を持っています。


E-5:エンボス・タントセレクト

TS-1、TS-3、TS-5、TS-6、TS-7、TS-8、TS-9、TS-10、TSギフト-1、TSギフト-7

タントセレクトは、細かい幾何学模様や独特のパターンを持つエンボス紙です。タントシリーズのカラーバリエーションに加え、模様が加わることで視覚的にも触覚的にも立体感を演出できます。

  • 招待状やカードに使えば「手に取った瞬間に特別感を感じる」仕上がりに
  • ギフトパッケージや高級ノベルティに用いると、ブランドらしい個性を表現可能
  • 模様自体がデザイン要素になるため、シンプルな印刷でも強い印象を残せます

E-5のまとめ
タントセレクトは「色と模様の両立」で、視覚と触覚の両方から印象を与える紙。遊び心と高級感を兼ね備えた選択肢です。


F-1:エンボス・T-EOS(サガンGA、ミニッツGA)

サガンGA-FS(2023年順次切替)、サガンGA

細かな凹凸が砂地のような質感を生み出すエンボス紙。落ち着きがあり、冊子の表紙や高級感を求められるカード類に適しています。FSC認証のFSバージョンは環境配慮を重視する案件でも安心です。

ミニッツGA-FS(2023年順次切替)、ミニッツGA

細かい縞模様が特徴で、光の当たり方によって繊細な陰影を見せます。洗練された印象を与えるため、ファッションやコスメ系のパッケージに最適です。

F-1のまとめ
サガンとミニッツは「繊細な凹凸で落ち着きを演出」するシリーズ。視覚的にも触感的にも上質感を加えられます。


F-2:エンボス・T-EOS(ジェラードGA、ハンマートーンGA)

ジェラードGA-FS(2023年順次切替)、ジェラードGA

布目のようなテクスチャーを持つ紙で、温かみと上品さを兼ね備えます。書籍の表紙やブランド冊子に使えば、紙の質感そのものが価値を高めます。

ハンマートーンGA-FS(2023年順次切替)、ハンマートーンGA

槌で打ち出した金属のような凹凸模様が特徴。強い存在感を放ち、パッケージやDMなどで「特別感」を表現できます。

F-2のまとめ
ジェラードは「柔らかさ」、ハンマートーンは「力強さ」と、それぞれ異なる方向性を持つ用紙。いずれも加工適性が高く、高級感ある表現に適しています。


活用事例と提案

彩匠堂での活用事例の一例です。

  • ブランドノベルティ:タントセレクトを採用し、模様そのものをデザイン要素に。
  • 冊子の表紙:サガンGAで落ち着いた高級感を演出。
  • コスメ系パッケージ:ミニッツGAを使い、洗練された印象を強調。
  • 招待状:ハンマートーンGAで特別感を表現。

まとめ

E-5とF-1〜F-2は、いずれもエンボス加工による独自の表情を持つ特殊紙です。タントセレクトは模様の多彩さで遊び心と高級感を、T-EOSシリーズは繊細な凹凸で落ち着きや上質感を生み出します。印刷物の目的やターゲットに応じた選択が、デザインを大きく左右するカテゴリです。

次回は F-3〜F-6(T-EOSシリーズ後半) を取り上げ、より大胆な模様と多彩なバリエーションを解説します。

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