特殊紙解説シリーズ:D-1 フロック・地模様の重厚な存在感
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はじめに
特殊紙の中でも「模様そのものがデザイン」となるカテゴリが D-1(フロック・地模様) です。大理石風や羊皮紙調など、独特の模様や質感を持つことで、印刷物に強い存在感を与えます。今回は 羊皮紙、羊皮紙・N、フレンチマーブル・N、シープスキン、フレンチパーチ、ペルガモン-FS、MLファイバー、タチアナ-FS といった代表的な銘柄を紹介します。
D-1に収録されている銘柄
羊皮紙
古代の羊皮紙を思わせる模様を持ち、重厚感と格式を演出できる紙。証書や賞状、修了証などで長年使われてきた定番です。
羊皮紙・N(2021年順次切替)
従来の羊皮紙をリニューアルした環境対応型。独特のマーブル模様を維持しながら、FSC認証を取得。サステナブルを意識する案件にも安心して使えます。
フレンチマーブル・N(2021年順次切替)
大理石のようなマーブル模様が特徴。カタログやパッケージに使うと高級感を際立たせ、欧風の雰囲気を強調できます。
シープスキン
羊革をイメージさせる模様を持ち、落ち着きと温かみを感じさせる紙。証書や表彰状などに使用されることが多く、伝統的な用途に根強い人気があります。
フレンチパーチ
羊皮紙に似た質感を持ちながら、より軽やかな表情。招待状や案内状に使うと上品でクラシカルな印象を与えます。
ペルガモン-FS
古代の「パーチメント紙(羊皮紙)」をイメージした紙。歴史的な雰囲気を漂わせつつ、FSC認証で現代的な環境配慮にも対応しています。
MLファイバー
繊維を漉き込んだ独特の模様を持ち、ナチュラルさと重厚感を両立した用紙。ブックカバーやパッケージに使用すると独自性を強調できます。
タチアナ-FS
表面に繊細な模様を持つ上質紙。カタログやパンフレットに高級感を与えるほか、ファッションやコスメのブランドブックに適しています。
フロック・地模様の魅力
このカテゴリの魅力は「模様そのものがデザイン」になることです。印刷を最小限にしても、紙自体の表情で存在感を放ちます。証書や賞状のようなフォーマルな印刷物はもちろん、ブランドの世界観を重厚に表現する場面でも活躍します。
活用事例と提案
彩匠堂での実際の活用イメージを挙げると次の通りです。
- 証書や修了証:羊皮紙・Nを採用し、伝統と信頼感を表現。
- 高級カタログ:フレンチマーブル・Nで、欧風の高級感を演出。
- ブランドパッケージ:MLファイバーを用い、自然素材を感じさせる重厚な仕上がりに。
まとめ
D-1(フロック・地模様)は、模様そのものが印刷物の価値を高めるカテゴリです。羊皮紙系の伝統的な用途から、マーブルや繊維系のモダンな応用まで、多彩な可能性を秘めています。
次回は E-1〜E-2(エンボス・ナチュラル) を取り上げ、より立体的な質感を持つ特殊紙の世界を解説します。
