特殊紙解説シリーズ:C-1 レイド系のクラシカルな魅力

はじめに

特殊紙の中には、伝統的な雰囲気を醸し出す「レイド系」と呼ばれる紙があります。紙を漉くときに生まれる簀目模様(すのめもよう)が特徴で、クラシカルで落ち着いた印象を与えます。今回紹介する C-1(リ・シマメ、セビロ-FS、あらじま、アングルカラー、STカバー、ピケ、マイカレイド) は、いずれもレイドならではの質感を持ち、冊子や招待状などフォーマルな印刷物に欠かせないカテゴリです。


C-1に収録されている銘柄

リ・シマメ

リサイクル原料を配合した環境対応型のレイド紙です。簀目模様のクラシカルな風合いを持ちながら、エコの観点を取り入れている点が特徴。CSRレポートやサステナブルをテーマにした冊子に適しています。

セビロ-FS

落ち着いた簀目模様で、ビジネス用途に最適な用紙。名刺や会社案内などに採用され、誠実で信頼感のある印象を与えます。FSC認証も取得しており、企業姿勢を示す場面で選ばれることが多い銘柄です。

あらじま

粗めの簀目が特徴で、強い存在感を持つ紙。触感にもはっきりと凹凸を感じられるため、冊子やカバーに使用すると高級感が増します。和風のデザインや伝統を重んじる案件に向いています。

アングルカラー(現在庫限り)

淡い色調とレイド模様を組み合わせた用紙。柔らかい印象を与えるため、招待状やポエム集など、優雅な雰囲気を求められる印刷物に向きます。

STカバー

カバー用途に適した堅牢さを持つレイド紙。冊子やカタログの表紙に使用すると、クラシカルな印象とともに耐久性も確保できます。

ピケ

織物のような細かな筋模様が入ったレイド系の用紙。落ち着いた印象を与えつつ、上品さを演出できるため、フォーマルな案内状や名刺に適しています。

マイカレイド

光沢感を抑えたマットなレイド紙。クラシックな印象を持ちながら現代的なデザインにも調和しやすく、幅広い用途に対応できます。


レイド系の魅力と役割

レイド系の紙は「クラシカル」「誠実」「上品」という印象を与えるのに最適です。大量印刷の標準紙では得られない独特の陰影と触感は、フォーマルな印刷物や高級感を求める案件に力を発揮します。

例えば、企業の周年記念誌をセビロ-FSで作成すれば、信頼感と歴史を表現できます。結婚式の招待状をアングルカラーで仕上げれば、優雅で温かみのある雰囲気を持たせられます。


活用事例と提案

彩匠堂での活用例としては以下のようなケースがあります。

  • 周年記念冊子:セビロ-FSを使い、クラシカルで重厚な印象を強調。
  • 高級ノベルティ:ピケを採用し、上品で洗練された仕上がりを実現。
  • 詩集や文芸誌:あらじまを選び、文章の世界観に深みを与える。

まとめ

C-1(レイド系)は、簀目模様の持つクラシカルな雰囲気を活かし、印刷物に上品さと誠実さを加えるカテゴリです。セビロ-FSやあらじまなど、それぞれの紙が持つ表情を理解し、用途に応じて選ぶことで、印刷物の印象は大きく変わります。

次回は D-1(フロック・地模様) を取り上げ、模様や装飾を持つ特殊紙の魅力を解説します。

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