特殊紙解説シリーズ:G-5〜H-1 和様の光沢から白い紙スムースへ

はじめに

特殊紙の世界では「和様紙」と「白い高級紙」は、まるで日本文化と西洋文化が交わる接点のような存在です。今回ご紹介する G-5(和様・光沢)H-1(白い紙・スムース) は、それぞれ異なる方向性を持ちながらも、印刷物に「上質さ」と「特別感」を与えるシリーズです。


G-5:和様・光沢(ペルーラ、きらびき、シャイナー)

ペルーラ・ペルーララスター

真珠のような光沢を持つ紙。派手すぎない輝きが上品さを演出し、ブライダル関係や高級商品のパッケージに適しています。

きらびき(各種)

その名の通り「きらびやか」な印象を持つ和様紙。光の反射で多彩な表情を見せ、招待状やDM、ポスターなどで特別感を演出します。FS仕様や多様なバリエーションにより、用途の幅も広いのが特徴です。

シャイナー

強い光沢を持つタイプで、インパクト重視の案件に向いています。展示会やキャンペーン用の告知物など、視覚的なインパクトを必要とする場面で効果を発揮します。

G-5のまとめ
和様の持つ上品さに「光沢」を加えることで、華やかさと存在感を与えるシリーズ。式典やプロモーションなど、印象を強めたい案件に適しています。


H-1-1:白い紙・スムース(ダイヤペーク、ダイヤホワイト、ルミネッセンス ほか)

白い紙の基本形ともいえるカテゴリ。表面が滑らかで、印刷適性が高く、幅広い用途に対応します。

  • ダイヤペーク・ダイヤホワイト:明るい白色で発色性に優れ、名刺や会社案内に適しています。
  • ルミネッセンス:自然な白さと滑らかさを両立。冊子やポスターなどで落ち着いた印象を与えます。
  • スーパーファインスムース-FS/エッグシェル-FS:アメリカ製高級紙の代表格。触感と発色のバランスに優れ、アートブックやブランド冊子に最適です。
  • ホワイトエクセルケント:定番のケント紙で、安定した品質と汎用性を持ちます。

H-1-1のまとめ
「安定感」と「信頼性」が強み。高級名刺から公式文書まで幅広く使われる、特殊紙の基盤的存在です。


H-1-2:白い紙・スムース(テイクGA、ミルトGA、インバーコートなど)

より厚みや強度を持ち、パッケージや装丁に向いたラインナップ。

  • テイクGA-FS/テイクGAボード:環境配慮と厚みを兼ね備え、パッケージ用途に強い。
  • ミルトGAスピリット:風合いと強度を両立。カタログやブックカバーに好適。
  • インバーコート各種:スウェーデン製高級パッケージボード。食品や化粧品向けパッケージで定評があります。

H-1-2のまとめ
白いスムース系の中でも「パッケージ特化型」。強度と発色を両立し、ブランドの品質を支える素材です。


活用事例と提案

彩匠堂での活用例を挙げると、以下のような展開が可能です。

  • ブライダル招待状:ペルーラで上品な輝きを演出。
  • DMやポスター:きらびきで視覚的インパクトを強化。
  • 高級ブランド冊子:スーパーファインスムースを使い、手触りと発色を両立。
  • 化粧品パッケージ:インバーコートを採用し、環境配慮と高級感を表現。

まとめ

G-5とH-1は、和様の光沢と西洋系の白スムースという異なる個性を持ちながら、いずれも「高級感」と「特別感」を与えるシリーズです。和の上品さを強調したいか、グローバルスタンダードな白の高級紙を選ぶか。案件の目的に応じた選択がデザインを大きく左右します。

次回は H-2〜H-3(白い紙・スムース後半とラフ・グロス) を解説します。

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