特殊紙解説シリーズ:G-1〜G-2 和様・エンボスの風合い
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はじめに
日本の印刷文化において「和様紙」は特別な位置を占めています。和紙の伝統を引き継ぎつつ、現代的な印刷や加工に対応するよう工夫された特殊紙。G-1とG-2は、その中でも エンボス加工 を活かして独特の風合いを表現したカテゴリです。触った瞬間に感じる温かみと、和の意匠が持つ落ち着き。印刷物に「伝統」と「安心感」を与えたいときに欠かせない存在です。
G-1:和様・エンボス(きぬもみ、もみがみ、レザック82ろうけつ)
きぬもみ
絹を揉んだような柔らかい凹凸が特徴。光の当たり方で微妙な陰影が生まれ、上品な質感を演出します。和装関連のパンフレットや高級飲食店のメニューなどに適しています。
もみがみ
揉み紙独特の細やかな皺模様があり、素朴さと落ち着きを感じさせます。表現としては控えめですが、落ち着いたトーンの冊子や挨拶状に用いると「誠実さ」と「伝統感」を伝えられます。
レザック82ろうけつ
ろうけつ染めを思わせる模様を持ち、華やかさと和の趣を兼ね備えています。招待状や記念誌など、特別感を強調したい印刷物に適しています。
G-1のまとめ
きぬもみ=上品、もみがみ=素朴、ろうけつ=華やか。いずれも和のエッセンスを加えることで、印刷物の存在感を高めます。
G-2:和様・エンボス(レザック80ツムギ)
レザック80ツムギ
紬織(つむぎ)をイメージした繊細な模様を持つ紙です。和装、工芸、伝統産業など「日本らしさ」を表現したい印刷物に最適。厚みや強度もあるため、冊子の表紙や台紙などにも広く使えます。
G-2のまとめ
ツムギの持つ「伝統と高級感」を紙で表現できるシリーズ。落ち着いた質感は、和の要素を活かすデザインに欠かせない素材です。
活用事例と提案
彩匠堂での活用例としては以下が考えられます。
- 和食店メニュー:きぬもみを使い、料理の世界観を引き立てる。
- 和装ブランド冊子:レザック80ツムギで、伝統工芸の価値を表現。
- 記念誌や式典プログラム:レザック82ろうけつを採用し、華やかさと格式を演出。
- 挨拶状やお礼状:もみがみを使い、誠実で控えめな印象を伝える。
まとめ
G-1〜G-2は、日本の文化や伝統を印刷物に反映させたいときに最適な特殊紙です。きぬもみ・もみがみ・ろうけつ・ツムギといった和様の表情は、見るだけでなく触れることで初めてその魅力が伝わります。伝統と現代の橋渡しをする紙として、ブライダル、観光、工芸、飲食など幅広い分野で活用可能です。
次回は G-3〜G-4(和様シリーズ後半) を取り上げ、より多彩な和の表現をご紹介します。
